「はい。頼み事があるんですけど」


「頼み事…?」


「はい」





そう。今日は雅先輩に頼み事があって待っていた。





「なにかな?」


「非常に言いづらいんですけど…録音してくれませんか?」


「録音?」





戸惑った表情の雅先輩。


…それもそうだろう。急に録音してほしいなんて頭おかしいんじゃないか?と思われてもおかしくない。





「えっと、細かく言いますと…小林先輩を好きだと言う女の子の名前を録音してほしいんです」


「壱成の…?」


「はい。放課後集まるんですよね?その時これで録音してほしいんです」