『ほら、早く』先輩に促されるままカバンを持って一緒に図書室を出た。






家に送ってもらっている間何も話さなくて静かだったけどその空間は不思議と嫌じゃなかった。





「…送ってくれてありがとうございます」





家のドアの前まで行って振り返る。





「どういたしまして」


「気をつけて帰ってくださいね」


「うん。じゃあね」





背を向けて歩き出した先輩が見えなくなってから家に入った。