雅先輩の腕を引いて物影に隠れる。 「矢咲さーん!」 「もー!どこ行ったの!?」 廊下から聞こえてくる女の子たちの声。 「あっちかな?」 「行こっ!」 足音がどんどん遠ざかっていく。 「…ふぅ。すみません、巻き込んじゃっ…!」 顔を上げて今の体制を理解する。 私が思い切り引っ張ったから先輩は私の上に覆いかぶさっていて上を向くと目の前には雅先輩の顔。 顔と顔の距離は10㌢あるかないかくらい。