「あの録音の意味がわかるなんて風ちゃんはすごいな」





あれは聞けばどれだけ壱成が音羽ちゃんを想ってるかすぐわかる。


だから諦めてくれ。そういう意味が入ってる。





「そんなことないですよ」


「ねぇ、もう壱成なんて諦めなよ」





そう言った俺に少し苦笑した。





「…そのうち…ですね」


「そのうちかぁ…そっか」





ハハッ。



それっていつになるのかな?



その日は前みたいに風ちゃんを送って帰った。



家に帰ってから羞恥心が沸き上がって赤面したのは言うまでもない。