女は白眼を向き、赤かった顔が青くなっている。


このままじゃ本当に死んでしまう!


慌ててかけより、その手を掴んだ。


でも……俺の手はすり抜けてそれを止めることもできなかったのだ。


「やめてください! 穂香はきっとそんな事望んでない!!」


耳元でそう訴えかけるが、声も聞こえてくれない。


「いいか、これが穂香の呪いだ! 最後の最後でお前たちにかけた呪いだ!!」


次の瞬間、女から力が抜けて行ったのを見た。


今まで必死で体をよじっていたのが止まり、見開かれた目は白くなり、そして動かなくなった。


それでも父親は女の首を絞め続けた。


大声で笑いながら、穂香の呪いだと言いながら……。