蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)

「まぁ、蘇芳先生、お久しぶりです」
「ご無沙汰しております、お母様」

坂本先生に笑顔で挨拶したのは、蘇芳先生だった。

雪愛は、豆鉄砲を食らったような顔で蘇芳先生を見つめている。坂本先生は、口を真一文字に結んでいた。

「…すみません、お母様。雪愛は坂本先生とは、結婚できないんですよ」

蘇芳先生の言葉に、母は、眉間にしわを寄せる。

「雪愛は、私の妻なんですよ」
「な、なんですって?!どう言う事なの?!説明して」

坂本先生を睨む母。雪愛はオロオロと二人を交互に見返すしかできない。

「坂本先生、本当の事を言ったらどうだ?昔も今も、真実を告げなければ、お前は幸せにはなれない」
「…蘇芳先生」

「俺もここにいるから、すべてを打ち明けろよ。ちゃんと見守っててやるから」
「・・・」

「…秀明さん」
「・・・ったく、変な事に首を突っ込むからこんな事になるんだ。後で覚えてろよ」

「・・」

蘇芳先生の言葉に、雪愛は、シュンとした。

雪愛とそう先生を見ていた坂本先生は、自分もこんな夫婦になりたいと思った。だから、両親にすべてを打ち明けた。


「・・・・まぁ、なんてこと」

母は溜息をついている。ずっと黙っていた父がここに来て、ようやく口を開いた。

「その子に会わせなさい」
「ですから、今は心も体も不安定なんです。彼女にストレスを与えたくない。だから、もう少し待ってください、父さん」