受付も看護師も先生も、1日終える頃には、グッタリだった。

「雪愛、大丈夫?」

次の日の準備をしながら、由紀が問いかける。流石の雪愛も、診察用ベッドに座り込み、溜息をついている。

「うん…なんとか。でも、想像以上だったね」
「本当に…蘇芳先生の人気は絶大ね。雪愛が赤ちゃん産んだら、私一人になるのよね〜。一人で回せるかしら?考えただけでゾッとする」

そう言って苦笑いする由紀を見て、雪愛も苦笑した。

「二人ともお疲れ様」
「「蘇芳先生お疲れ様です」」

「受付も、さっき帰ってもらったよ。由紀さんも、もう上がって、明日もあるし」
「はい、明日の準備も出来ましたし、上がります。お疲れ様でした。雪愛も早く帰りなね」
「うん、お疲れ様」

雪愛が手を振ると由紀も手を振り返し、蘇芳先生に頭を下げると、更衣室に向かった。

由紀がいなくなり、蘇芳先生は雪愛の横に腰掛けると、雪愛のお腹を優しく撫でた。

「無理させて悪かったな。大丈夫か?」
「はい、ちょっと疲れたけど、大丈夫ですよ。もう臨月ですし、たくさん運動した方がいいですしね」

「それはわかるけど、やっぱり家にいてくれた方がいいんだけどな、心配だ、突然破水とかしても大変だし」