「はぁ…はぁっ…」

曇天の空

私は傘をささずに走っていた

なぜ走っているかって?

天人に追いかけられているから。

「待てぇぇえ!殺してやる!」

銃声の音が駆け回っている路地裏に鳴り響く

「く、くそっ!足が…」

走りすぎたせいか足が傷だらけだった

「見つけたぞ!殺せ!」

あぁ。私ここで死ぬのかな…

そんなことを考えていた時だった

ザシュッ

自分にとっては聞きなれた音を耳にした

「お前よぉ、いないと思ったらなんだ?天人さんとおにごっこですかぁ?」

その男は、銀色の髪で見慣れた天パだった

「ぎ、銀さん!」

それは、私たちの出会いというより

私たちの追いかけっこになったことは

秘密にしておこうと思った。