涙味CANDY

私は迷わず彼の元に向かい、タバコを奪った。

「私、タバコって嫌いなの。」

そう言って、彼のタバコを足で潰して火を消した。

「は?お前なんでここに……」

彼は私の濡れた服を見て、口を噤んだ。

「何よ、笑えばいいじゃない。あぁ、なんて惨めな女だろうって。なんて汚い女だろうって。
その目はなに?哀れんでるの?
迷惑よ!同情なんかしないで!
私だって。私だって……」

幸せになりたかった。

その言葉を言う前に、私の視界は真っ暗になった。

「黙れ。」

先程とは比べ物にならない程、低い声が響いた。