涙味CANDY

「そっか」

彼の声は、なんだか楽しそうだった。

「気を付けて帰ってね。また明日。」

彼は玄関で明るく手を振る。

その姿がやけに憎たらしかった。

「…今日はありがとうございました」

ぶっきらぼうにお礼を言って彼の部屋を出た。

どうか、あいつが帰ってきませんように。