涙味CANDY

「…俺さ」

沈黙が重たくなってきた頃

彼が口を開いた

「…お前、助けたい」

少し口調が砕けた気がした。

心なしか、目も鋭い。

私はまだ、何も言っていないけど……

「お前のこと、守らせてくれない?」

ここで頼めば何かが変わるのかもしれない。そう思ったが、やっぱり私は

「そんなの嘘よ。貴方に私は助けられない。」

まだ、ふらつく足のまま、立ち上がり玄関に進む。