「え?」


「違う…!篠原さんは、犯人じゃないっ!」


は…?


なにを言うかと思えば、希美をかばうなんて。


「だから、希美が「違うっ!」


ガタッ、と音がすると同時に、伊月が立ち上がる。


「あの事件に、犯人なんていない!誰も悪くないっ!」


苦しそうで、必死に涙をこらえるその姿は、今の今までに抱え込んできたものを表しているようだった。