その異変に気付いたのは、私だけじゃなかった。


希美ちゃんが、大丈夫だよ、って必死に背中をさすっている。


まるで、全てを知っているような…


だけど、私はどうすることもできないまま、ただ座ってじっとしているだけ。


怖かったんだ。


だって、入谷くんの目線の先にあったのは、一番頼りにしていた彼の笑顔だったんだから。