猫柳の咲く季節に



「いいよ、行っても」


「……えっ?」


「急ぎなんでしょ?ほら、早く」


トン、と背中が押される。


振り向けば、左手を前に突き出し、右手を腰に当てて、仁王立ちする希美ちゃんがいた。


「行って!私のことはいいから」


なんでそんなに、少年漫画ものみたいな言い方をするんだろう。


そんな大したことじゃないのに、まるで死亡フラグ…


これは、わざとなのか、天然なのか分からなくて、上手くリアクション出来ない。


だけど、それが心を許している証のようにも感じて、思わずほおが緩む。