「はあ~、羨ましい。

いいなぁ、お姉ちゃんは…」



リビングの

サイドボードに飾られた写真を見ながら、

私は呟いた。



起きがけのパジャマのまま

突っ立っている私の後ろで、

お姉ちゃんは

ちょうど朝食を食べ終わったようで、

食器を片付けに流し台へ歩いていった。



「こんなイケメン婚約者がいるなんて、

お姉ちゃんずるいなぁ」



「その婚約者っていうの、やめてくれる?

そんなんじゃないから」



「嘘だね!

ママが証人だって言ってたもん。

それに、アラサーになるまで

彼氏も作らないで待ってるって、

本気ってことでしょ?」