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俺のベッドで横向きに丸まって眠る楓佳の白い頬にそっとふれる。

好きだとか、愛してるだとか、いとおしいだとか。
楓佳への気持ちを口にすればするほど、なにかが違う気がする。
そんな愛の言葉じゃ全然足りない。
俺のこの気持ちはそんなんじゃ全然足りない。

もし、この気持ちを言葉にするならば、

『どうか長生きしてください』

かもしれない。
なんだか冴えない愛の言葉だけど。


恥ずかしがり屋で意地っ張りな楓佳は、なにも口に出したりはしないけれど、不思議と俺にはわかる。
楓佳が俺のことを大好きだってこと。
本人に言ったら、きっと「バカ!」とかなんとか言われるんだろうな。

月の明かりが楓佳の寝顔を照らす。
まるいおでこにそっとキスをして、髪をなでた。
楓佳の腰を抱き寄せ、足をからませて目を閉じる。


今日も楓佳といられたことに感謝しよう。
明日も明後日もその先もずっと。


これが、君がいる毎日。



" will you marry me ? "





end