赤い信号の光…
トラックの、ブレーキの音
女の人の、かん高い、耳に残るような叫び声

「……ッ祐‼︎」
___ ガタン!!

椅子から勢いよく立ち上がった私の目に映るのは、
驚いた表情で、私を見つめる社会科の先生と
ポカンとした顔でこっちを見る、クラスメイトたち…

あぁ、夢か…
安心し、思わずため息をつく。

… 私、授業中に居眠りしちゃってたんだ…。

「松野どうかしたか?具合が悪いなら、
保健室行ってこいよ?」


先生は、私の具合を察してくれたのだろうが、
ベットでまた横になって、また夢を見るのが怖い。

「ちょっと、寝不足で居眠りしてただけなんで、だいじょうぶです」

… 本当はだいじょうぶじゃないんだけどね。

お気に入りの、腕時計を見ると、あと少しで授業が終わる。
お腹空いたなあ… なんて思いつつ、4時限目を乗り切った。

チャイムがなったと同時に、親友の咲姫が抱き付いてきた。
正直、これは〝抱きつき〟じゃなくタックルだと、毎回思う…
「ゆらぁぁぁ!! どうしたの?急に立ち上がったりして
びっくりしたんだからぁ!」

咲姫は、保育園からの幼なじみである。