「とにかく!八時間以内だぞ!」



乱暴に受話器を置いて、誘拐犯さんは思いっきり電話機の乗っている台を蹴り飛ばす。



「…まぁまぁ、落ち着いて。まだ時間はあるし、ユルリと自己紹介でもしましょうや」

「どこの婆ちゃんだよ!ったく…」



誘拐犯さんはドサッと私の横に腰を下ろし、面倒そうに口を開いた。