律×奏〈恋〉

「もう...!返してよ!」



「やーだねー!」



「もう返してあげなよ!
やめろって前にも言ったじゃん!」



「前っていつだしー?
何時何分何秒地球が何回回った時ー?」



「お前それ、マジでやめろ!」



「答らんねーんだろ!」



笑い声が響く。

小学四年生の教室。



この年だと、
好きな人の物を取るのが
流行るらしい。



いつも被害にあってるのは、白石朱律。
モテるという噂は聞いていたが、
一昨日のクラス替えで
初めて同じクラスになった。




「...地球が1680116235910回回った時」

そっとつぶやく。





「なんだよ。行こーぜ。」



男子たちが教室から出ていく。
本当にばかばかしい。





本を読んでいると、
白石に声をかけられた。



「あの...さっきはありがとう...。
頭いいんだね!あ、お名前は...?」


「高崎奏だけど...。」


「奏くん...?よろしくね!」


ニコッと笑って、その場を去っていった。







俺はこの時、
完全に白石に心を奪われてしまった。





今までに感じたことのない
感情が体を巡る...。




これが俺たちの出会いだ。
この時の俺はまだこれが恋だとは
気づいていない...。