ジョージは、私の頭にばさっとバスタオルを被せると、乱暴にワシワシと髪を拭き始める。


「い、痛い!痛いわ!ジョージ!!」

解れた髪を掻き直しながら、髪とバスタオルの隙間から私はジョージを睨む。

「元気が無いのに、俺にその理由を言わないからさ」

ジョージは、バスタオルを取り上げると真剣な目で私に詰め寄る。

「何があった?言えよ」

「何でもないわ」

「嘘つけ。お前は昔から嘘つくのが下手で……」

「何もないってば!」

私は首を振ると、ジョージの胸に頬を埋める。

その時、私が着ていたジョージの濡れたウィンドブレーカーに何か堅い箱のようなものが入っていることに気付き、取り出して手に取る。

「な……に?これ?」

「あ!それは!!」

ジョージは慌てて、私の手から奪い返そうとする。