「下山するぞ!」

ジョージは着ていたウィンドブレーカーを私の頭に被せると、帰り支度を始める。

「来る途中、民家らしきものがあったよな?そこで雨宿りしねぇか?」

ヒューバートの意見はすぐさま採用され、私達はその民家を目指して、雨の中を走っていった。

10分も走ると民家が目の前に現れ、私たちは一時の雨宿りをお願いする。

とても気の良さそうなおばさんは、「寒かったろう?!いいから早く入んな!」と私達を快く招き入れてくれる。

私は風邪を引いてしまったようで、ぞくぞくとした悪寒に体の震えが止まらなくなってしまう。

「あったかいもん、飲んだ方がいい。おれ、おばさんにスープ頼んでくる!」

ヒューバートは急いで階下へと下りて行く。