数時間後、じいさんとの話から解放され部屋に戻ると、疲れ果てた体をベッドに投げ出し、ただ何時間も天井をじっと見つめたまま、俺はずっと放心していた。


だが、不意にじいさんとの会話を思い出し、頭痛と吐き気に襲われ、洗面所に向かった。


正していた襟を解き、雑に顔を洗って上げると、鏡に映る自分の顔が目に入って来た。




屋敷に引き取られてからもう7年。


この7年が夢なのか、現実なのか。


さっきじいさんと話した自分の言葉が嘘なのか、本当なのか。


この世界は虚構なのか、現実なのか……。



それすらも分からないくらい、俺は全てを嘘で塗り固め、自分自身を偽って来た。


それでも、そうしてまでも守りたい者がいる……。