強気なあの子の恋模様

はい、佐藤の家に帰ってきて、やっと目が覚めました。
帰り道は若干寝てたので、記憶がない。隣の佐藤が引っ張ってくれたんだよね。

フルーツメインのさっぱり系の食事にした。朝は食欲がないんだ。

「今日は大学あるの?」
「うん、午後から。」
「私、家帰らなきゃならんからそろそろ帰るわ。」
洗い物も終わったので、お暇しよっと。

「送ってく。」
「いーよ。私んちとまーま近いんよ。」
「送ってく。」
「…わかった。駅までお願い。」
送ってくことは譲らないのね。

「佐藤はさ、なんでイケメン隠してるの?」
「めんどくさいから。」
「ですよねぇ。」
こやつの応答が読める。

「香菜子、ケータイ。」
「ん?貸してほしーの?あいよ。」
「ん。」
佐藤が私の携帯をいじる。
「変なサイト見るなよ。」
「見ねーよ。」
一応釘をさしとかないとね。

「おっけ。」
「はいはーい。」
もう駅だ。

「なんかありがとう。泊めてもらって、なんだかんだ助かったわ。潰れたの初めてだから余計。」
「うん。じゃ、また。」
また?会うことなんてないだろうが。
「うん、またね!」
社交辞令か?
まぁ、良いわ。
佐藤に軽く手を振り、私は佐藤と永遠に会うことはないと思って、駅へ向かった。