「れ、冷泉くんっ」



俺を呼ぶ、焦ったような小さな声。



「教科書、忘れちゃったみたいなんだよね」



「…………」



――ふーん、そう。



「悪いんだけど……。
見せてくれない?」



「…………」



――いいけど……。



面白そうだから、少しの間放置する。