屋上に着くと先輩は私に頭を下げた。

「ワリィな!いきなり走って。」

「いいえ。いつも佐田と鬼ごっこしているので脚力には自信が...」

と、言いかけた時先輩は不機嫌そうな顔で頬を膨らませていた。

私は一瞬可愛いなんて思ってしまった。

「せ、先輩?」

「宮川さぁいっつも佐田先生の話ばっかりだな。」

「(え?なにこの状況。)」

「せ、先輩?あのっ...言っている意味が....」

「そろそろ気づこうぜ?」

「あのっ...ん?」

「俺さぁ宮川の事好きなんだけど。」

私は頭が追いつかなかった。

「えっ…はっ!?えっ!?あのっ…ふぇ!?」

ひとりでアタフタしていると

「クスッ」と先輩は笑った

「テンパリすぎ!」

どうしてだろう。
私はその笑顔にドキドキしていた。

そしてさっきの言葉が頭の中をグルグル巡回している。

「(先輩が私を好き?え、じゃぁ両思い!?は、早く返事しなきゃ。)」

ひとりでイロイロ考えていると

「っで?」

「はい?」

「返事は?」

真っ直ぐな目に目が離せなかった。

「よ、よろしくお願いします!!」

「ウソ…先輩と付き合えるんだ…夢…じゃない。」

「夢じゃないよ〜。」

「なっ!?心の中覗かないでくださいー!」

私は今きっと赤面している。

「イヤ…声に出てたから!(笑)」

「あっ…あのっ!」

「ん?」

「今日帰り良かったら一緒に…」

「おう!一緒に帰ろっか。」

ぱぁっと私の顔が明るくなったのを見て袖で口元を隠す。

「っ……くそっ…可愛いな!」

先輩は私の頭をポンと撫でた。

「んじゃ、そろそろ戻るか」

「はっ、はい!」

そして私達は教室へ戻った。