『おやまぁ全員勢ぞろいですの?』






その生き物の目線の先は、美しい九尾の狐だった。





美しい。





同じ女のあたしでもそう思った。





『わたくしがあなた方のお相手になって差し上げますわ。主様の為に。ただし、わたくしは』





攻撃なんていたしませんわ、なんて言って挑発してくる。





隣のユウがネックレスの鬼丸ちゃんを取り出す。




「ちょっと待ってってばー」




あたしの小さな呟きは、広い森に彷徨い続け、誰にも拾われることなく消えていった。