一刀一矢魂を込めます!

あたしの視線の先には泣き出してしまっている、少年の顔。




気が付けばあたしは少年を抱えて守っていた。




赤色の液体が、あたしの顔を流れ出す。




指でそっとその液体を触った。




それが自分の血だってことはすぐにわかった。



ああ、あたしは七回目の優勝記念日に死ぬんだなー。



そう実感させられた。



せめてコンビニで奮発したかったな。




場違いの思いに口角が上がる。




すると、遠くの方に赤白輝く車が見えた。




それが救急車だとわかったのはすぐだった。




救急車が来た安心感と、この子を守れた達成感であたしは意識を閉ざした。