この町が一週間平和なことは珍しいらしい。




だいだい三日に一回はやってくる妖が、今週は未だにやってこないのだ。




子供たちは初めてのびのびの一週間を過ごせたらしく、頬がゆるみっぱなし。




マロとはお互いアドバイスしながら練習に取り組んでいる。





たまにユウも参加するが、特に何もせずただただジッと、あたしを見ている。




それが一番緊張するのだ。




視線は大会で慣れたはずなのにね。




フォームを確認する監督の視線とか、ゴクリと喉を鳴らして見つめてくる観客の視線とか。