一刀一矢魂を込めます!

グルッとみんなを見回した。



「みんな、何で…?」



(オレサマが我慢出来なくて言ってしまった)



転がっていたマロを抱き上げると、マロは申し訳なく言った。



(最初は、まやが決めた事だから別にいいと思ったんだ。
だけど、日にちが近づいてくると元気がなくなるまやを見て……)



ごめん、とマロはずっと謝ってくれた。



「バカでもうるさくても、やっぱりみんなお前が大切なんだ」



ユウに突然言われ、あたしはそっと下を向いた。



だから、わからなかったんだ。



あたしに近づいていた影に。



グイッと顎を上げられて、唇に触れた暖かい何か。



それがキスだっていうのは、すぐにわかった。