一刀一矢魂を込めます!

あたしは、マロの姿を元に戻して高林を見上げた。



高林がうんと頷いたのを見て、あたしは矢となったマロを握り構えた。



先に高林をやってから、あたしも行くと決めている。



「…行くよ」



あたしはゴクリと喉を鳴らして、弓を力一杯引く。



そして、バサリとマロは飛んだ。



目と鼻の先に立っている高林は、目を閉じて自分の最期を待っていた。



「勝手に行こうと、してんじゃねぇ!!」



グサッと、地面に刀が突き刺さると、マロはその刀で跳ね返った。



刀が飛んでくる直前に、低くも心地よい声がした。