一刀一矢魂を込めます!

もう玄関前。まだ玄関前。



例え外でも、大声で騒げば気づかれる。



「歩きながら話す」



先を急ぐ高林の後に続くように、あたしは駆け寄った。



「で、さっきの質問だが、今日は満月の日だ」



早歩きで家から遠ざかると、高林はあたしの質問に答えてくれた。



それでも意味がわからず、頭にハテナを浮かべているあたしに詳しく教えてくれた。



「お前、二日間うるさい寝息を立てて寝てた」



「うるさいは余計だ」



高林の膝を狙い、足を上げる。



しかしそれは華麗に避けられてしまった。


「それより、そいつ良いのか?」



「そいつって?」



「その腕についている蒼い物体」