「まやっ!おせーよ……」



家に着き、扉を開くとユウがやって来た。



あたしは無言で、ユウの側を通り寝室へと向かう。



「まや……?」



いつも通りのあたしじゃないって感じたユウは、不思議そうにあたしの名を呼ぶ。



「ごめん……。疲れたから寝る」



あたしはユウにそれだけ言って、寝室と台所を結ぶ襖を閉じた。




布団に包まり、目をきつく閉じる。




夢なんて望まない。



あたしの願いなんてどうでもいいから。



だから、ユウが幸せでいてくれればいいんだ。




あたしは視界が暗い中、ずっと祈った。



いつまでも、ずっと祈った。