やがてあたしと高林は、ノンちゃんと別れて家に帰った。




家ではユウと麻里子さんが既に帰ってきていた。




「おかえりー。随分遅かったな、高林」




「俺は言いましたよ。奪うと……。あなたの負けです、結城さん」




高林とユウの間にピリピリと電流が流れているようだった。




あたしはいつも通りに、高林とユウの喧嘩を止めた。




いや、正しく言うと止めようとした。




「ちょっと、ゆうくん止めなよ。大人気ない」



「うるせーなー、こいつとは一生分かり合えないライバルだっ」




もう、なんて言って頬を膨らます麻里子さんは誰が見ても可愛かった。