「私はゆうくんのことが大切だから。私はゆうくんがいないと壊れちゃうの」



「壊れるって何を言ってっ……!!」



繋がれていた手を振りほどき、麻里子を置いて家から出た。




こいつのことを信じていたのに、こいつは悪口を言ったんだ。




いつの間にか早足になっていたのも忘れていた。



後ろからはちょこちょことついてくる麻里子の姿も見えた。



やがて辿りついたのは、木がたくさんある森だった。



狐と出会った森。



まやの涙を初めて見た森。



最後の戦場だった森。



「待って!!」



俺に追いついた麻里子は、俺の服の端を引き立ち止まっている。