結果、彼女は頑張りすぎて自分の気持ちまで殺してしまった。



褒めて欲しい、慰めて欲しい、聞いて欲しい、甘えたいという気持ちを。



「お紀、ありがとな」



『何がです?』



「お前と出会ったことで、佐藤は甘えるという気持ちを知った。お前はあいつの大事な友達だ」



『友達だなんて当たり前ですわ。
でも、わたくしとまやが出会ったのは、高林のお陰ですわ。あなたの命令が無ければ、わたくしとまやは出会いませんでしたもの』



袖で口元を隠し、フフッと微笑むお紀。