「行ってこい、ユウに伝えてこいっ。お前の気持ちを」



立ち止まるあたしの肩に手を当てて、あたしを振り向かせた高林。



後ろから背中を押されて、あたしはバランスを崩しそうになるが、何とか保った。



あたしはもう一度高林の方に振り向いた。



そして、あたしを好きだと言った高林に抱きつく。



「ありがとうっ。あたしのために、こんなまでして。
あたしに気持ちを気づかせてくれてありがとう。
あたしを好きになってくれてありがと、うっ」



あたしは高林の背中に回していた腕を離し、家に向かって駆け出した。



「頑張れよー!!!!」



千年桜の所から、高林は手を振りあたしを応援する声が届いた。



あたしは手を振り返し、急いでユウの元へ走り出した。