一刀一矢魂を込めます!

あたしの様子を見て、高林は笑ってあたしを野原に座らせた。



「この千年桜、もう寿命なんだ。今月末に枯れる」



あたしはハッと息を飲み込んだ。



「次千年桜が生えるのは、まだ分からない。千年桜は未知の木だからな。
お前が帰ると言うなら、もうこれが最後のチャンスだ」



「……さい、ご」



あたしが呟いた言葉に、高林が頷く。




「まだ迷ってんだったらさっさと決めろよ。
俺が倒されたって別の妖がいる。やられた妖だって地に落ちれば、ずっと妖として生まれ変わる。
それでも、ここで死ぬのを、戦うのを覚悟して生きるか。
それとも、家族、友達、仲間と一緒に危険がない元の場所に戻るか」