一刀一矢魂を込めます!

懐かしの自称モテる独身アラサー女性の吉村先生に感謝をした。



「結城さん、まやできました」



高林がおたまを持って顔を覗かせる。



「え?結城さんって……」



聞いたこともない苗字を口にした。



「俺だが?」



「ですよねー」



予想していた通りの人物で、驚きの声をあげると共に安堵の息を吐く。




「それよりユウって結城なんだねー。えっ?じゃあユウって漢字だとどういう風に書くの?!」




机を挟んで前にいるユウに、身を乗り出して問い出してみた。




すると、ユウは近くにあった紙にスラスラと書き始めた。