あたしはそっと微笑み、空を見上げた。




只今の時刻、二十一時です。




こってりと叱られると思ったら大間違い。




あたしは友達の所で泊まるって言ったもんねー。





嘘だけど…。




だって誰だって一人になりたい時ぐらいある訳じゃん。




空には風に煽られて舞う、千年桜の花びらたち。




丘になっているこの野原は、町の夜景が観れるあたしの最近見つけたお気に入りの場所。




『さて、わたくしは帰ります。まやも気づかれないうちに早く帰りなさい』