すると、ポケットに入っているお守りが白く輝くように光りだした。



その光は一直線にのびている。



あたしは無意識に足を踏み出していた。



その光の正体を確かめたい。



あたしの思いはそれだけだった。



(まやっ!)


あたしが走り出した時、後ろでマロの叫び声が聞こえた。



それでもあたしは足を止めない。



光の道の先がどんどん見えてきた。




あたしが光の道の先に立つと、白き光は消えてしまった。




しかし、あたしの視界の先には岩がある。



その岩には、九尾の白い狐が座っていた。




九本の尻尾を風のように揺らし、岩から見える白い花と共に歌を口ずさんでいる。