ユウは涙をこぼしていたことを知らず、あたしが拭った時は驚いていた。




「みっともねぇな俺。一応女であるまやの前で泣くなんて」




「一応じゃないから。本当だから」



変な言葉が耳に入ってしまったことに、ツッコミを入れる。



「あたしはみっともなくないと思う。だって涙ってその人の思いがたくさん詰まってるもの。考えは人それぞれだけどね」



頬を掻き、自分の思いをぶつける。




「それに、あたしの前で泣くってことは、それだけあたしを信用してるってわけじゃん!あたしは嬉しいよ」



両手を精一杯広げて笑顔で言った。




季節外れの桜の花びらがあたしたちの間をひらひらと舞う。




まるで雪のように。




綺麗に華やかに舞っている。