「まあ俺も検索中だけどな」



笑って誤魔化した高林。



本当はわかっているはず。



それでもあたしの生半端な気持ちで答えられなかったんだろう。



「あたしが、覚悟を決めたら教えてくれるの?」


無意識に声に出していた。



笑っていた表情が次第に無になる。



「別にお前が生半端だろうがなんだろうが関係ない。それでもこのことを聞いて恐れるのが俺は怖いんだ」



「それでもいい。あたしはこのことをきちんと知りたい。自分のことでもあるし、そのことで周りに被害が出るのかも知りたい」




あたしは恐れたりなんかしない。



その気持ちを目で高林に伝えた。




その気持ちが伝わったのか、高林はため息をついてゆっくりと声に出した。




「……戻れる方法はたった一つ。次の満月の夜、佐藤が落ちたあの桜の木に戻りたいと願う。それだけだ」