あたしはもう一度ビンタされる覚悟をして、目を閉じる。




「…っ!?」




予想外に、ビンタしてくるであろうものが、ユウはあたしを優しくとも、力強く抱きしめていた。




「ユ、ユウ?」




身長差でユウの顔が見れない。





「心配かけさせんな、クソヤロー」




「クソヤローでも何でもないしー。それよりも、腕は…?」





片腕で抱きしめているユウに問い出す。




「そんなの痛くもなんともねぇ。よくあの鬼丸を手懐けたな。よくやった」





ユウは手をあたしの頭にのせ、優しくなでた。




「褒めんならそんな怒った顔すんな……」





未だに険しい顔のユウ。