『それでは、わたくしはこれで』





いつの間にか縄から脱出していたノンちゃんは、一礼をして去るように歩き出す。






『あら、そうでしたわ』





数歩歩いてから何かを思い出したのか、こちらに振り返る。





『主様からのご通達ですの。
そこの少女を奪いに行く、せいぜい頑張って守り通すが良い。守っていても無理だろうが。とおっしゃっていましたわ』




では、と再び歩み出すとノンちゃんはもう消えていた。





あたしを、連れていくの?




あたしは恐怖心に支配されていた。