「はっ!」

どっかの家の騒音で私は目を覚ました。

近所迷惑。

その一言に尽きる。

よし!こういう時はなずなに当たろう!

なずなに『アンタのせいで眠れなかった‼』って言ってやろう!

でもそのチャンスを、またしてもなずなに奪われた。

「マジでふざけんな!アンタのせいで起きちゃったじゃん‼」

『おはよう』の代わりに、なずなが言ったのはこの暴言。更にキック一回。

お腹に激痛が走る。

「そういう顔がしてほしかった。」

なずなはそう言うと、笑いながら母親の方へ向かい、得意の猫なで声でこう言った。

「おかあさん、私がぐっすり寝てる時、すずなが私を揺すって起こしてきたの。昨日勉強しててゆっくり寝たかったのに…」

こんな嘘をつくと、なずなはいきなり泣き出した。

「なずな…可哀想に…すずな!なんてことしたの!!」

母親はなずなに甘く、私に厳しい。

母親が私に怒鳴ると、なずなも

「そーだ!そーだ!」

と、私に怒鳴る。

これはいじめだ。

母親かなずなが死なない限り、絶対に終わることのないイジメ。