「そうっすよね! 課長、そういえば大学から仙台すもんね。てかなべっこ遠足って、遠足で芋煮すんすか?」
「まあ外で鍋をするってことは一緒だよ。きりたんぽ鍋とか、すき焼きとか、里芋の入ったいものこ汁とか好きなものを作って野外で食べるだけだ」
「きりたんぽ鍋! めっちゃ好きっす。今年はきりたんぽ鍋にしませんか?」
さっきまで怖気づいていたのに、きりたんぽ鍋というワードが心に響いたようで中村がいきいきしだしたのがおかしかった。

「んじゃ、課長も参加ってことで。あと時間とかわかったら、周知しますね」と勝手に課長を参加させて、せかせかした様子で向こうへ行ってしまった。
その様子がおかしくて笑ってしまう。
「課長、断るなら今のうちですけど」と言うと「まあ、別に参加してもいいけどな」と呟いたのが意外だった。

そこでスマホにメッセージが来たことに気づき確認する。綾仁くんからだった。

『真唯子さん、この前はありがとうございました。突然なんですけど、今日って暇ではないですか? 実は野球のチケットもらったんですけど、友達が来れなくなってしまって』

き……今日? 行けるか? ナイターってことは? と色々考えても仕方ないので、
『ちょっと遅れるかもしれないけど、行けるよ』と返信する。
しまった、がっついた感あったかと考えたけど、今の感情なしと取り消す。