明日帰る予定だったので、荷造りをしていると入れ違いで「顕人ー!! 」と永史さんが訪ねてきた。
和室に私しかいなかったせいか、目を丸くした後、キョロキョロと顕を探しているようだ。
「あ、顕、小学校の友達と飲みに行ってます」と答えると
「えーっ? そうなの? 聞いてない」とがっくり肩を落とした。
何かなければ永史さんに自分の予定なんて伝えないだろうなと感じて
「すぐ帰ってくるとは言ってましたけど」
「そっかぁ」と、深い溜め息を吐いていて、明らかに落ち込んでいる。
本当に大好きなんだなぁと眺めていると、トントンと後ろから肩を叩かれた。
振り返るとおじいさんが「真唯子さん」とにんまりした笑顔で立っていた。



