翌朝、冷えた廊下を歩いていると、ガラス窓から見える庭に雪が積もっていた。庭石や木々も雪で姿を隠しているせいか、静けさが深まり、凛とした気持ちになった。
「綺麗」
うっとりして見とれていると、遅れてきた顕が「少し積もったな」と言った。
「うん。気づかなかった。夜のうちに降ってたんだね」
「どうりで寒いわけだ。そういや今日、どこか連れて行こうかと思ったんだけど、姉ちゃん、家に顔出すって言うんだよな」
時間が微妙だと、申し訳なさそうに言うので、「もう充分だよ」と笑った。
昼前に甥っ子ちゃんを連れたお姉さんの紗幸さんが遊びに来て(顕に似ていた)夕方近くに帰って行った。
小さい子供と遊ぶ彼の姿を見るのは新鮮で、微笑ましい光景だった。
夕方を過ぎ、顕は小学校の同窓会的な集まりに行くことにしたようで、外出の準備をしていた。
出かけ際に
「じゃあ、すぐ帰ってくるから。悪いな」
「はーい。いってらっしゃい」と手を振ると、抱き寄せキスをしてくれた。



