顕に「真唯子、風呂行けば」と言われたのだけど、彼がお酒が入ると眠くなることを知っていたので、先に行っていいよと促した。
お母さんやお父さんも先に休むと言うので、永史さんと二人きりになる。
改めて彼の背格好を見ると、顕と対照的だと思った。
大柄で、二重瞼の大きな瞳はお母さん似のようで、可愛らしい顔立ちだ。
永史さんが急に振り返るので、思い切り目があってしまった。顕と比べていたものだから、ちょっと気まずい。
だけど気にする様子もなく「真唯子ちゃんに、いいもの見せてあげようか」と得意げに笑った。
階段を静かに昇る。
突き当たった部屋の扉を開けると「ここ顕人が使っていた部屋だよ」と言った。
一歩部屋に入ると、左側にあるガラス張りの棚にボトルシップやプラモデルが並べられていた。
そういえば、子供の頃、細かい作業が好きだと言っていたことを思い出した。
それにしても、改めて見るとすごい。どうやってボトルの中で船を組み立てるんだろう。しかもパーツひとつひとつが本当に細かい。
船もパイレーツオブカリビアンみたいなものもあれば、白い帆を張り海を渡っているような波しぶきまで表現されているものもある。
眺めていると、永史さんの見せたかったものは別にあったようでこれと隣の棚からアルバムを取り出した。
「アルバム……学ラン姿見たかったんです!」と思わず前のめりになってしまったのは、前に顕に見たいと言ったら見せないと言われていたせいだ。



