甘いだけの恋なら自分でどうにかしている


あのと前置き、
「本当に真唯子さん、矢嶋さんの地元に行って後悔しませんか?」
「え?」
「あ、すみません。ほら、華さんのお友達も田舎に行ったら、うまくいかなかったって言ってたし。
今日の真唯子さん、なんかおかしかったから。無理してるように見えたから、心配で」
「今日は、色々あったからさ。でも、大丈夫だよ。ありがと」

「本当ですか?」と念を押される。
心配してくれてるのは伝わってきて
「ただ……まあ、あれかな。向こうに行きたくないわけじゃないけど、住めるならこっちの方が良かったなとは少し思ってる位かな」
「矢嶋さんは、その事知ってるんですか?」
首を横に振った。

「顕も顕で、やっぱり地元がいいみたいだし、その気持ちもわかるし。それに付き合う前から決めてた事みたいだから、今更こっちでとはいかないみたいだったから」
提案はしてみたんだけどねと笑って言った。

「僕、一度我慢すると、また我慢する事が起きるような気がするんです。我慢の先に幸せって、ないと思います」
堅く、緊張した声だった。